乗りつぶしオンラインを今さら始めたら、昔の鉄道旅がよみがえった

ナガタニ

「乗りつぶしオンライン」というサイトをご存じでしょうか。

日本中に鉄道があります。
毎日の通勤や通学で利用する人もいれば、旅行先で新幹線や特急列車に乗る人もいるでしょう。

では、これまでの人生で、自分がどの路線に乗ったのか覚えていますか?

結構覚えていないと思います。
というより、普通は意識しません。

生活圏の外にある鉄道に乗る機会も、それほど多くないはずです。

私のような「乗り鉄」という人種を除いては……。

目次

私にとっての「乗り鉄」とは

乗り鉄とは、鉄道に乗ることそのものを楽しむ鉄道ファンのこと。
車窓の風景を楽しむ人もいれば、走行音や車両の雰囲気、乗り換えルートを考えることに魅力を感じる人もいます。

楽しみ方は人それぞれですが、私は「旅情を楽しむタイプ」です。

そのため、首都圏の近郊路線は、そこまで好きではありません。
なぜなら通勤のイメージしか湧かないので。

都会を少し離れ、建物が少なくなっていく。

窓の外には木々が増え、やがて田園風景が広がる。

そんな車窓を、クロスシートに座りながら、ぼんやり眺める。

これが私のアナザースカイ。もとい、乗り鉄です。

乗った路線を記録できる「乗りつぶしオンライン」

旅をすると、その記録を残したくなります。
今は便利な世の中なので、スマートフォン一つで写真も撮れますし、メモも残せます。

そして、人間にはもう一つ、

「集めたい」「埋めたい」「コンプリートしたい」

という欲求があります。

スタンプラリー、コレクション、収集癖。
乗り鉄であれば、自分がこれまでに乗った路線を、日本地図の上で塗りつぶしたくなるわけです。

そして、いつの日か100%になったら……。

少し考えれば分かりますが、普通の生活を送っていたら、ほぼ不可能です。
全国には、日常生活や普通の旅行では、なかなか乗る機会のない路線が無数にありますから。

それでも、日本中の鉄道路線に乗る「全線完乗」を成し遂げた人たちは、沢山います。

乗りつぶしを語るうえで外せない宮脇俊三氏

鉄道の乗りつぶしを語るうえで、外すことのできない人物が宮脇俊三氏です。

宮脇俊三氏は、国鉄全線への乗車を記録した『時刻表2万キロ』『最長片道切符の旅』をはじめ、数多くの鉄道紀行を残した作家で、
彼の著書は、今も多くの鉄道ファンに読み継がれています。

私も、もちろん読者の一人です。

仕事の合間を縫って、ただひたすら「乗っていないから」というだけで全国各地の路線に乗りに行くその様子。
昭和の頃の作品なので、今とはまったく路線も環境も異なる部分は多いのですが、宮脇氏の独特の文章というか、この読んでいるだけで情景が浮かぶような、なぜか一緒に旅をできているような。
また、決して自分にはできないことを見せて頂いているという高揚感。

現代の、Youtuberだったり、水曜どうでしょう班だったりに、通ずるところがあるのかもしれません。

とにもかくにも、乗り鉄という趣味の面白さを知るうえで、宮脇俊三氏の本から受けた影響は、決して小さくありません。

さて、話を戻しましょう。

乗りつぶしオンラインとは、この「乗りつぶし」という行為を記録できるサイトです。

ナガタニ

そのままやないか・・・

乗りつぶしオンラインでは、主に次のようなことができます。

・乗ったことのある鉄道路線を登録する
・路線ごとに乗車済みの区間を記録する
・日本の鉄道を何%乗ったのか確認する
・地図や数字が少しずつ埋まっていく様子を楽しむ

自分だけの鉄道スタンプラリーを、オンライン上で作れるようなものです。

乗りつぶしオンラインの公式サイトはこちらから。

記録がなければ、旅は少しずつ消えていく

この「記録する」という作業。
鉄道に限らず、本当に大切だと思います。

実際に過去に乗車していたとしても、何も記録が残っていなければ、やがて自分でも分からなくなります。

人間の記憶なぞ、しょせん有限です。
そして、何より頼りになりません。

齢40にもなれば、過去の記憶はもうぐっちゃぐちゃです。
別々の旅の記憶がガッチャンコして、実際には存在しない旅行の記憶が出来上がっていたりします。

反対に、記憶が完全に欠損してしまい、写真を見ても、地名を聞いても、一切思い出せないこともあります。

「本当に自分がここへ行ったのか?」「これは別の世界線の自分なのではないか?」

そんな状況まで出来上がってしまいます。
だからこそ、あとから客観的に振り返ることのできる「記録」が大切なのです。

かつては路線図を蛍光ペンで塗っていた

私も昔は、記録をしていました。
「鉄道白地図帳」なる雑誌を購入し、乗った路線をひたすらに蛍光ペンで塗りつぶしていくのです。

これはこれで、大変趣深い。
ページをめくり、少しずつ線がつながっていく様子には、デジタルにはない喜びがあります。

しかし、私の断捨離癖が災いしました。

あろうことか、その本を廃棄してしまったのです。
もしくは、仮に捨てていなかったとしても、押し入れのはるか奥深く。
事実上、廃棄されたのと変わりません。

それならExcelで記録を作ればよいのでは、とも思います。
しかし、全国の路線を入力するためのフォーマットを作るだけでも一苦労ですし、
なにより路線の開業や廃止などがあれば、自分で情報を更新しなければなりません。

そして、保存していたパソコンやハードディスクが壊れれば終わりです。

そうした面倒な作業を、まとめて引き受けてくれるのが乗りつぶしオンラインなのです。

なぜ今さら乗車記録を始めたのか

私が本格的に乗り鉄を始めたのは、大学生の頃でした。
AXeSSとして、インターネット上に旅企画を公開するかたわら、一人でも鉄道旅行に出かけていました。

当時は、どこへ行って何をするかというより、
「旅をした結果、何が残るか」を重視していたように思います。

AXeSSで企画旅行を続けていた影響もあったのでしょう。

何かを達成する。決められた場所を巡る。路線を端から端まで乗る。

いわば、スタンプラリーのような旅の仕方に傾倒していました。

当然、写真も沢山撮りました。そしてその写真も残していました。残していたはずでした。

しかし、その写真を保存していたハードディスクが破損します。
一部の写真は救出できたものの、体系的に旅を振り返ることはできなくなりました。

そうしているうちに時は流れ、旅の記憶も少しずつ曖昧になっていきました。

乗車記録の入力は、記憶の発掘作業だった

そんなある日、ふと昔の写真フォルダを開きました。
壊れたハードディスクから救い出した写真を見ながら、断片的に旅の記憶をたどりました。

駅名標。

ローカル線の車内。

誰もいないホーム。

旅先で食べたもの。

写真を見れば、そこへ行ったこと自体は分かります。

しかし、悲しいかな、それが自分自身の記憶として感じられないものもありました。

「こんなところにも行っていたのか」と、自分の写真を見ながら、自分で驚く。

そんな作業を続けていたとき、ふと思い出したように開いたのが、乗りつぶしオンラインでした。

昔の写真を見ながら、乗ったはずの区間を登録する。
路線図を見て、旅のルートを考える。
前後の写真から、どの列車に乗ったのか推測する。

そうすることで、目の前で自分自身の記憶なのか疑わしかった旅の光景が、一本ずつ路線図が繋がっていくたびに、
色をもって自分の記憶の中によみがえってくるのでした。

これはもう、単なる入力作業ではなく、失われかけていた記憶を掘り起こす作業でした。

写真を見返すと、もう乗れない路線があった

写真を整理していると、当時は普通に走っていた路線がすでに廃止されていることに気付きます。
乗った当時は、その路線がなくなることなど意識していません。

廃止前の記録として、きれいに写真を残そうと思っていたわけでもありません。

何気なく撮った駅。

車窓から見えた風景。

ホームに止まっていた車両。

それらが今では、二度と同じ形では撮ることのできない記録になっています。

「ナガタニ」が長谷駅へ行った日

私は、インターネット上で「ナガタニ」という名前を使っています。

そんな私が「ナガタニ駅」へ行く。
ただそれだけの理由で、島根県と広島県を結んでいた三江線の長谷駅へ行ったことがあります。

読み方は「はせ」ではなく、「ながたに」です。

当時から、長谷駅は秘境駅としても有名な場所でした。
停車する列車も少なく、周囲には目立った観光地もありません。

それでも、自分と同じ名前の駅がある。
当時行く理由としては、それだけで十分でした。

しかし、その三江線は2018年に廃止されました。
長谷駅も廃駅となり、現在は列車に乗って訪れることができません。

当時は「名前が同じだから」という軽い理由で訪れた場所が、今ではもう、列車に乗って同じように訪れることのできない場所になっているのです。

自分が生きていれば、当然そういったことは多々あるとはわかっているものの。
写真を見返すと、懐かしいというだけではない、不思議な感情が湧いてきます。

当たり前に走っていた路線も、少しずつ姿を変える

青春18きっぷで乗り通した北陸本線も、北陸新幹線の延伸によって、一部区間が第三セクターへ移管されました。

線路そのものが消えたわけではありませんが、
それでも、「JR北陸本線」という一つの路線を乗り通した経験は、今では同じ形で再現できません。

九州で観光列車に乗った区間も、豪雨災害によって長期間不通になりました。
現在は復旧に向けた動きが進んでいますが、私が乗った当時の車両やダイヤ、沿線の風景が、そのまま戻るわけではありません。

路線が残っていても、車両は引退します。

駅舎は建て替えられます。

列車の名前も変わります。

かつて何気なく撮影した写真が、時間の経過とともに少しずつ歴史資料のような雰囲気を帯びていく。

これもまた、昔の旅を振り返る面白さなのかもしれません。

私は日本の鉄道を何%乗っていたのか

昔の写真を見ながら登録を続けていると、次第に意地になってきてしまい、
せっかくなら、思い出せる路線をすべて埋めたいと思うようになりました。

こうして私は、通勤時間を使って乗りつぶしオンラインへの登録作業を始めました。

完璧主義者の私は、乗車した日付もすべて入力したくなりましたが、それを始めたら確実に破綻します。
昔の旅は、日付どころか年すら怪しいものがあります。

そこはグッと我慢しました。
そもそも、どこまでを「乗った」と判断するのかも、自分で決めればよいのです。

写真などから確実に乗ったと分かる区間は登録する。
乗ったような気はするものの、確証がない区間は保留する。
今後、新しく乗った路線については、できるだけ乗車日も記録する。

私は、このルールで進めることにしました。

現在の乗車率は36%

過去の記憶をたどりながら登録した結果、現在の乗車率は次のようになりました。

乗りつぶしオンラインより

自分では、結構いろいろな場所へ行ったつもりでした。

しかし、日本地図全体で見てみると、空白ばかりです。
分かってはいましたが、全線完乗への道のりは果てしなく遠い。

日本、広すぎます。

鉄道、多すぎます。

私は本当に全線完乗を目指すのか

冒頭でも触れましたが、全線完乗は簡単ではありません。
普通の生活を送りながら達成しようとすれば、調整しなければならないことが多すぎます。

仕事があります。家庭があります。お金も必要です。
なので、時間が圧倒的に足りません。

そのため、現時点で、全線完乗を達成しようという気持ちは、微塵もありません。
乗車率の数字を上げることだけを目的にしてしまうと、私が好きだった「旅情を楽しむ」という部分が薄れてしまう気もします。

ただ、これから乗った路線は、きちんと記録していきたいと思います。

旅行のルートを考える際に、

「こちらはまだ乗ったことがないから」
という理由で、移動手段を選ぶこともあるかもしれません。

地図に空白があれば、埋めたくなる。

100%を本気で目指していないと言いながら、乗車率が上がればきっと喜ぶ。

そのくらいの距離感で、乗りつぶしを楽しんでいきます。

昔の旅を、今の自分が記録し直す

乗りつぶしオンラインを始めた目的は、自分が日本の鉄道を何%乗ったのか確認することでした。

ところが写真を見返しているうちに、当時の出来事まで少しずつ思い出しました。

すでに廃止された路線。

引退した車両。

姿を変えた駅。

もう一度乗りたくても、同じ形では乗ることのできない列車。

そして、今より若かった自分が、なぜその場所を目指したのか。

記録を整理することは、昔の自分の旅を、今の自分がもう一度旅し直すことなのかもしれません。

これから、このブログでは、昔の写真を見ながら過去の乗り鉄旅を少しずつ振り返っていきたいと思います。

廃止された路線だけでなく、青春18きっぷの旅、ローカル線、観光列車、何のために行ったのか自分でもよく分からない駅。

写真と記憶が残っている限り、記録し直していきます。

また、写真だけでは伝えきれない旅については、YouTubeチャンネル「AXeSS」の中でもシリーズとして、動画にすることも考えています。

昔の写真を見ながら、当時の旅を思い出して話す。
それはそれで、今だからこそ作れる旅動画になりそうです。

過去の記録は、取り戻すことはできません。
しかし、過去の旅をたぐることと、これからの旅を残すことはできます。

鉄道にまったく乗ったことがない人は、おそらくほとんどいないでしょう。

通学で使っていた路線。昔の旅行で乗った新幹線。地元を走っていた私鉄。

今はもう、なくなってしまった路線。

皆さんも、自分がこれまでに乗った鉄道を記録してみると、忘れていた人生の一場面が戻ってくるかもしれません。

乗りつぶしオンラインを使って、自分が歩んできた軌跡を、少しだけ振り返ってみてはいかがでしょうか。

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管理人プロフィール

アラフォー・3歳児子育て中の会社員。

「実際に体験したことだけを書く」をモットーに、子連れ旅行・クレジットカード・ポイント活用・暮らしのお得情報を発信しています。

ホテルに泊まれば実際に泊まり、カードは自分で申し込み、サービスは自分で使ってから記事を書くのがこだわりです。

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