サッカー観戦、と聞いて皆さんはどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。
声出し応援。
飛び跳ねる人たち。
ちょっと怖い……?
子連れは厳しそう。
そんな少しネガティブなイメージがあったりしませんか?
ナガタニはい、私はありました。
あと、屋外なので暑い。
ハーフタイムはトイレが大混雑。
スタジアムは駅から遠い。
ピッチまでの距離が遠くて、そもそもプレーが見えない。
などなど、挙げれば枚挙に暇がありません。
そう、私にとってサッカーの現地観戦は、少しだけ心のハードルが高いレジャーだったのです。
実際に、同じような印象を持っている方も少なくないのではないでしょうか。
そのため、ここ10年ほどで現地観戦は数えるほど。
まして子どもが生まれた今、休日に家族でサッカー観戦など、子どもが小さいうちは夢のまた夢。
そんな風に思っていました。
ところがある日、FC東京サポーターの友人が私をサッカー観戦へ連れて行ってくれました。
しかもただ連れて行くだけではありません。
「味スタの楽しみ方を一日かけて教えてあげよう」
という、まるで観光ガイドのような付き添い付きです。
その結果。
私のサッカー観戦への価値観は見事にひっくり返されました。
なんならその後、3歳の娘を連れて二人で国立競技場までサッカー観戦へ行ったくらいです。
最初に抱いていたネガティブなイメージは、確かに間違いではありません。
でも、それはサッカー観戦のほんの一面に過ぎませんでした。
今のスタジアム観戦は、思っていた以上に快適で、思っていた以上に自由で、
そして思っていた以上に家族向けだったのです。
今回は、FC東京のホームゲームにはほぼ毎試合通い、ゴール裏で熱烈応援を続ける友人カミチー氏に案内してもらいながら、FC東京のホームスタジアム「味の素スタジアム」で観戦した一日の様子をお届けします。
この記事を読めば、サッカー観戦への見方が少し変わるかもしれません。
また既に観戦経験のある方にも、「そんな楽しみ方があったのか」という発見になれば幸いです。
▶その様子をまとめた動画はこちら
サッカー観戦のゴールデンスケジュール
今回観戦したのは、ゴールデンウィーク真っ只中の5月2日。
FC東京対川崎フロンターレ。通称「多摩川クラシコ」です。
最終的な観客数は3万人超え。
味の素スタジアムが大いに賑わった好カードでした。
そんな大混雑が予想される試合でしたが、結果として驚くほど快適な一日になりました。
まずはそのスケジュールをご覧ください。
09:30 飛田給駅集合
10:00 開門
10:05 グッズショップ
10:30 青赤パーク散策
12:00 開場
14:00 キックオフ
文字にするとシンプルですが、最初にこの予定を聞いたとき、私は困惑しました。
なにせ試合開始は14時なのに、指定された集合時間は9時半です。



そんなに早く行って何するの?
というのが率直な感想でした。
試合開始4時間前に到着する理由
“開場”ではなく”開門”に合わせる
「じゃあ集合は9時半ね」
カミチーから送られてきたLINEを見て、私は目を疑いました。
だって、試合開始4時間半前です。 早すぎる。
普通なら試合開始の1〜2時間前に到着するものではないでしょうか。
まして私はサッカー観戦初心者。
4時間も前に着いて何をするのか、まったく想像できませんでした。
そんな思いを抱えながら、向かったのは味の素スタジアムの最寄り駅、京王線・飛田給駅。
新宿駅から20分ほどで到着するアクセス抜群の駅です。
そして駅からスタジアムまでも一本道。
徒歩5分ほどでついてしまいます。
サッカースタジアムというと郊外のイメージがありますが、味スタは想像以上にアクセスが良いのです。
スタジアムへ到着したのは9時45分頃。
すると驚いたことに、ゲートのシャッターが閉まっています。
まだ敷地内にすら入れません。
周囲にはすでに待機列ができていましたが、それでも2〜30人程度。
みなさん余裕の表情です。
そりゃそうだ。
だってまだ試合開始4時間前なのだから。
私はこの時、初めて知りました。
サッカー観戦には”開場待ち”だけではなく、”開門待ち”という文化があることを。
そしてこの後、その意味を知ることになります。
グッズショップを制する者は観戦を制する
シャッターがゆっくりと上がり、いよいよ開門。
カミチーは迷うことなく言いました。
「まずはグッズショップに行こう」
試合前のグッズショップといえば大混雑。
入場規制がかかり、店に入るだけで何十分も待つイメージです。
ところが、店の前に着いて思わず声が出ました。
「あれ、空いてる?」
列がない。
人も少ない。
店内も見放題。
そうか。まだ4時間前だからだ。
当たり前のことですが、多くの人は試合開始1〜2時間前に来場します。
そのタイミングでグッズを買い、食事を買い、トイレへ行く。
だから混雑する。
逆に言えば、その前に全部済ませてしまえばいい。
シンプルながら、なかなか実践できないことだと思いました。
結果的に買い物は15分程度で終了。
隅々まで見て回り、欲しいものを吟味し、それでもまだ時間はたっぷり残っています。
そしてこの後、一日を通して気づくことになります。
味スタを快適に楽しむ最大のコツ。
それは、 「混雑する前に動く」 ということでした。
しかし問題があります。
まだ10時15分です。
試合開始まで約4時間。
開場までですら2時間近くあります。
一体どうするんだ・・・ そう思っていると、カミチーが言いました。
「次は青赤パークへ行こう」
味スタ最大の魅力、青赤パークへ
FC東京名物・青赤パークとは?
味の素スタジアムには、試合開催日にオープンするイベントエリア「青赤パーク」があります。
キッチンカー。 スポンサーイベント。 物産展。 子ども向け遊具。 ステージイベント。
正直なところ、試合前のおまけ程度に考えていました。
ところが実際は違います。
ここはまるで公園で開かれているフェスイベントさながら。
ここにいると、自分がサッカー観戦に来たということをいい意味で忘れてしまいそうで、 ここだけで半日過ごせそうなくらい充実しています。
「とりあえず端からぐるっと見てみよう」
これも時間があるからこそなせる業。
だ人もまばらなので、スポンサーのイベントブースも列に並ぶことなく体験できます。
キックボウリングをやったり、ガラガラくじを回したり。
その結果、なんとシーズン最終戦の観戦チケットやジョイポリスの入場券まで当たってしまいました。
これぞ早起きは三文の徳です。
続いては、市区町村によるアンテナショップ、物産展が並ぶエリアへ。
FC東京のホームタウンは東京都・調布市ですが、東京都と一口に言っても意外と広い。
今回出店していた物産展は、なんと小笠原諸島でした。
そう、普段あまり意識しませんが、小笠原も立派な東京都なのです。
同じ東京都と言われても、調布と小笠原ではもはや別世界。
改めて東京という街の多様さを感じました。
子どもも楽しめるイベント・遊具
さらに子ども向けの遊具も充実しています。
大きなふわふわドームや空気で膨らませたアスレチックなど、小さな子どもなら間違いなくテンションが上がるものばかり。
しかもこの時間帯はまだ空いているので待ち時間もほとんどありません。
実際、翌週に娘を連れてきた時は真っ先にここへ向かいたかったのですが、到着時間がギリギリで1時間待ちの列になっていたので諦めました。
「サッカーを観に来たはずなのに、まだサッカーを観ていない」 そんな状況なのですが、それでも十分楽しいのです。
フードトラックはもはやフードフェス
そしてもう一方の広場へ向かうと、今度は様子がガラリと変わります。
そこはさながらフードフェス会場。
今回のテーマは唐揚げということなので、全国各地の唐揚げ店が集結していました。
大分・中津の唐揚げをはじめ、見渡す限り揚げ物の誘惑。
さらに対戦相手である川崎フロンターレにちなんで、川崎名物のニュータンタンメン本舗も出店していました。
TY HARBORの限定クラフトビール
そして個人的に一番印象に残ったのが、クラフトビールです。
天王洲にある人気店「TY HARBOR」が醸造しているビールで、なんとFC東京仕様の限定醸造とのこと。
つまりここでしか飲めません。
限定と言われると弱い。
そして飲んでみると、とても美味しい。
クラフトビールらしいホップの香りとコクがありながら、飲み口は軽やか。
飲み終わったあとに広がるフルーティーな香りも心地よく、昼間から飲む一杯としては最高でした。
おしゃれなフードトラックと合わせれば、写真映えも間違いありません。
川崎名物ニュータンタンメン本舗
ちなみに私はニュータンタンもいただきました。
以前から名前だけは知っていましたが、実際に食べるのは初めて。
感想としては、 「これは危険です」 気付いたら箸が止まらない。
辛さと旨味で脳に直接訴えかけてくるタイプの味でした。
そして何より良いのが、この青赤パークの空気感です。
芝生エリアが広く、購入した食事を持って好きな場所で食べることができます。
大きな木もあり、スタジアムというより公園に近い。
芝生に腰を下ろし、大人はビールを飲み子どもは走り回っている。
そんな家族も多く見かけました。
ここで改めて気付いたことがあります。
実はここまで、一度もチケットを提示していないのです。
そう。 青赤パークは試合観戦チケットがなくても楽しめます。
サッカー観戦だと思うと少しハードルが高い。
でも、 「週末どこか行こうか」 くらいの気持ちで訪れるならどうでしょう。
イベントがあり、 グルメがあり、 遊具があり、 芝生があり、 ビールがある。
それだけでも十分に休日のお出かけ先として成立しています。
これこそが、私が感じた味の素スタジアム最大の魅力でした。
試合開始2時間前、いよいよ開場
そうこうしているうちに時計は12時。
いよいよ開場時刻です。
周囲を見渡すと、人もかなり増えてきました。
人気のキッチンカーには列ができ始め、入場ゲート前にも長い待機列が伸びています。
しかし我々は既に、 グッズ購入済み。 イベント体験済み。 昼食済み。 ビール済み。
粗方やることはほぼ完了しています。
あとは練習と試合を観るだけ。
これは、精神衛生上すごく大きい。
人が増え始めてから慌てて動く必要がないのです。
お腹を空かせた状態で、長いキッチンカーの列に並ぶ必要がないのです。
開場したら席へ向かい、荷物を置く。
腹ごなしに、スタジアム内を一周してみる。
選手のウォーミングアップを見る。
座席でのんびりスマホを見る。
そんな時間すら楽しめます。
一見すると暇そうに見えるかもしれません。
でも違います。
ここまで散々遊んできたからこそ、この休憩時間が心地良いのです。
レジャー施設でありがちなのが、 「あれもやろう」 「これもやろう」 と詰め込みすぎて、途中で疲れてしまうこと。
その点、今日のスケジュールは絶妙でした。
先に楽しむ。 後で休む。 そして試合に備える。 理にかなっています。
味の素スタジアムは周囲に緑も多く、外周を歩くだけでも気持ちが良いので、開場後の時間は軽い散歩にも最適です。
そう考えると、ますます早く来ない理由が見当たりません。
いよいよ試合開始
初心者におすすめしたいアッパーフロント指定席
14時が近づき、スタジアム全体の熱気も高まってきました。
今回観戦した席は、ゴール裏上層にあるアッパーフロント指定席。
いわゆる2階席です。
サッカー観戦において席選びはかなり重要です。
そして味の素スタジアムにおいて、初心者に最もおすすめしたい席もこのアッパーフロント指定席でした。
その理由については長くなるので別記事で詳しく紹介します。
ただ一つだけ言えることがあります。
試合も俯瞰で見やすい。
すぐ下がゴール裏なので、応援団の雰囲気も感じる。
スタジアム全体も見渡せる。
指定席なので入場列に並ぶ必要がない。
初心者が最初に座る席としては本当にちょうど良い。 実際、この日も90分間しっかり試合を楽しむことができました。
まとめ|サッカー観戦は試合だけじゃない
正直に言うと、今回味の素スタジアムへ来るまでは、サッカー観戦に対して少し身構えていました。
応援が激しそう。
混雑していそう。
子ども連れでは大変そう。
そんなイメージを持っていたのです。
もちろん、それらが間違いというわけではありません。
実際に熱い応援はありますし、人気カードになれば多くの人が集まります。
ただ、それはサッカー観戦の一部分でしかありませんでした。
実際に体験してみて分かったのは、サッカー観戦は試合だけを楽しむものではないということです。
グッズショップを見て回る。
イベントを楽しむ。
ご当地グルメやクラフトビールを味わう。
芝生でのんびり過ごす。
そして最後にサッカーを観る。
むしろ一日を通して楽しむレジャー施設と言った方が近いのかもしれません。
そして今回、私が一番驚いたのは「試合開始4時間前に行く」という考え方でした。
最初は、 「そんなに早く行って何するの?」 と思っていました。
しかし実際には時間が余るどころか、気付けば試合開始の時間が近付いているほど。
グッズショップも。 フードトラックも。 イベントブースも。
混雑する前に楽しめる。
たったそれだけで、一日の快適さは大きく変わります。
そして何より、その楽しさを実感したからこそ、私はこの後、娘を連れて二人でサッカー観戦に行くことになりました。
場所は味の素スタジアムではなく国立競技場。
もちろん今回教わった「早く行く」という教えを守ろうとしました。
守ろうとはしたんです。
しかし子連れの朝は甘くありません。
準備しているうちに時間はどんどん過ぎていき、気付けば現地到着は開場後。
試合開始の1時間半前になってしまいました。
子ども向け遊具にはディズニーランドもびっくりの長蛇の列ができており、泣く泣く断念。
フードトラックも大行列で諦めることに。
やはり経験者の教えは正しかったのです。
※ちなみに国立競技場はコンコース内の売店が充実しているので、食事には困りませんでした。
それでも娘は試合前から大喜び。
スタジアムの雰囲気を楽しみ、応援を音量に驚きながらもおとなしく試合終了までしっかり座席で過ごしてくれました。
※スマホでYoutubeを見せながら何とか乗り切りました。文明の利器は偉大です。
数週間前まで、 「子どもが小さいうちはサッカー観戦なんて無理だろう」 と思っていた自分からすると、なかなか感慨深い出来事でした。
もし今、 「サッカー観戦はちょっとハードルが高そう」 と感じている方がいたら、ぜひ一度スタジアムへ足を運んでみてください。
できれば試合開始のかなり前から。
きっと試合だけではない、新しい楽しみ方が見つかるはずです。
そしてその時はぜひ、私と同じように誰か経験者を捕まえて案内してもらうことをおすすめします。
少なくとも私は、カミチーに連れて行ってもらわなければ、今でもサッカー観戦に対して同じイメージを持ったままだったと思います。
▶その様子をまとめた動画はこちら 「サッカー初心者を味スタに連れて行った結果」








